日本語教師の歩き方

日本語教師のお仕事や大学院生活などを実体験に基づいてレポートするブログです

日本の常識って??【中国のテスト事情②】

 みなさんは、なぜ「中国ではテストはペンで書く」と思いますか?

 ある学生が私にこう言いました。

 

「先生、中国は人が多いです。みんなライバルです。後ろの人が、私のテストの名前をチェンジします。だから鉛筆はだめです!」

 

 私はそれを聞いて、なるほど!と思いました。

 つまり、中国ではテストを後ろから前へ送るときに、解答用紙の名前をすり替えられる危険があるから鉛筆では書いてはいけないそうです。

 (勘違いないでほしいのですが、これは中国全土ではなく、一部らしいです。)

 

 中国の受験戦争は日本に比べてとても激しく、大変ですから、事情はなんとなくわかりました。

 だから、彼らの答案をみると、間違ったところは、ぐちゃぐちゃと塗りつぶされて、新しい答えを上とか下とかに書いてあり、とても読みにくい。

 

 しかし、ここは日本。

 日本のルールを教えるのも日本語学校の役目ですから、テストを返却するときにしっかり「テストのときは鉛筆と消しゴムが日本のルール」だと説明しました。

 間違えたときは消しゴムを使うことも指導しました。

 反発していた学生も、ちゃんと納得してくれ、それ以後ちゃんと鉛筆で書いてくれました。

 

 私はこの件で、改めて【常識】に気をつけることにしています。

 私にとっての【常識】は周りの人の【常識】ではないかもしれません。

 それは外国人、日本人問わず同じです。

 年齢、性別、育った環境が違えば、【常識】は違ってきます。

 

 もし、だれかを指導したりするときは、【常識】ということばを使わず、

やるべきことを具体的に相手に伝えるべきだと思います。

 あと、相手に『どうして〜したの?』と聞くことも大切です。

 あなたのパートナーやお子さま、家族に対しても同じです。

 

 もしかしたら、中国の学生のように彼らの【常識】に従って行動していた結果かもしれません。

 

 お互いに確認し合えば、溝は埋まり、ステップアップできるでしょう。

 

 みなさんは、【常識】という言葉一つで、色々片付けてはいませんか?